近年の低金利環境やフィンテック企業の台頭で銀行のオワコン化が叫ばれ始めてしばらく経ちますね。メガバンクの就職人気ランキングも徐々に下がり始め、銀行からの人材流出も激しくなっています。
今回は管理人の身の回りで銀行を退職した人のその後のキャリアから、
①これからの銀行員はどうキャリア形成していくべきか
②新卒で銀行に入るべきか
について考えてみたいと思います。
ページコンテンツ
転職する人の割合は?
昔は銀行といえば安定の象徴でした。給料もよく福利厚生も充実。東大京大出身の優秀な人がこぞって新卒で入行して、定年まで勤め上げるのがサラリーマンとして勝ち組といった風潮でした。
現在はそんな風潮もすっかり廃れ、世の中では3年で3割の人が辞めると言われていますね。
管理人の身の回りの体感でいうと入行5年以内に大体2割位の人が辞めてる印象です。あくまでの管理人の知っている先輩、同期、後輩を見ていての体感ですが、世の中で言われている割合とそこまで大きく違わないかなと思います。
メガバンクを辞めた人の転職先とは
管理人の知っている若手メガバンク行員の転職先はこんな感じです。
金融機関
管理人もこのパターンです。
3メガバンクの間で転職する人は見たことがありませんが、証券会社の投資銀行部門や政府系金融機関の営業に転職した人は何人かいました。
そういった人たちはお客さんとの関係構築が上手だったり、本部で専門的な知識を身に着けているなど、自分の中の武器と呼べるような何かを身に着けている人が多かった印象です。
他業界の大企業
若いうちのポテンシャル採用であれば、比較的大手の他業界に転職できた例もありました。
ただ、このタイプの人もやはり仕事ができて強みと言えるものを持っている人が多かったです。
ベンチャー企業
ベンチャー企業で働くと言っても様々です。
ある人は、高い人事評価をもらって出世コースに乗ったものの、自分でベンチャー企業を起業し社長をやっている人もいます。
一方で、銀行の仕事が嫌で辞めたものの、そこからしか内定をもらえなかったという人もいます。
公務員
公務員になる人もいます。自分の地元の役所に帰る人や、都庁でバリバリ働いている人もいます。おっとりした性格の人が、目標を何が何でも達成するという猛烈な働き方に合わなくて行くイメージです。
無職
一旦仕事を辞めて充電しながら、会計士等の資格取得を目指して勉強している人もいましたね。
銀行を辞めた理由は?
キャリアアップのため
自分の強みを持っていて、自分の目指すキャリアが明確になっている人はポジティブな転職ができている印象でした。こういう人は銀行の中でも評価されていて、惜しまれながら退職していきましたね。
銀行からの転職者を採用する側としても、前職で成果を上げている人を採りたいと当然思っているはずです。ポジティブな転職をする上で、銀行で成果を上げるのはほぼ必須と言っていいのではないでしょうか。
仕事がきつい(体力的、精神的に)
この理由がやはりいちばん多いのではないでしょうか。
この記事では詳しく書きませんが、ノルマはきついです。特に支店の法人担当者には、貸出やビジネスマッチング(銀行の取引先同士を紹介して、その会社の事業に貢献すること)といった法人取引のノルマだけでなく、取引先の社長や社員に対する保険や投資信託の販売といった個人取引のノルマも課されます。
貸出だけじゃ今の銀行は全く儲からないので、売らなきゃいけない商品が増えるのは仕方がないことですが、担当者が勉強しなきゃ行けない商品知識はどんどん増えていっています。
自分で商品性がよく分かっていないものを売ることはお客さんとのトラブルにつながるので、日中のノルマ地獄に加えて、帰宅後の自宅での勉強にも追われる毎日です。
企業文化が合わない
銀行の文化が合わずに辞めていく人もいます。
多少は改善されていますが、
- 紙ベースの書類回覧
- 昭和を未だに引きずっている体育会系の文化(上司の言うことは絶対、新人歓迎会での一芸等)
- 謎の旧行意識(「あいつは旧○○銀行出身だ」等)
というのは未だに残っています。
そういった風土にうんざりして辞めていく人も少なからずいますね。
まとめ:銀行にいるうちに自分の強みを確立することが大事
いろいろ書きましたが、管理人はメガバンクで働く事自体は必ずしも悪いことではないと思います。
ここでは書ききれないですが、銀行でしかできない経験はたくさんあります。目に見えない商品をいかに売るかを追求することで人間として成長できる側面もあります。
ただ、重要なのは自分がどういう価値観を持っていて、どのようなキャリアを追求したいかを明確にした上で働くことです。
例えば、今いる(これから入る)銀行以外でも通用する専門性を身に着けたいならば、その部署に異動できるよう今いる場所で成果を出すために頑張らなければ行けないですし、新卒採用の時点でコース別採用に応募することもできるはずです。
「周りの人が受けているから」
「採用人数がおおいから」
といった理由でなんとなく銀行で働くのはあまりおすすめしません。
銀行にいる人も、銀行への就職を考えているひとも、自分のキャリアについてきちんと戦略を練ることが大事ですね。